ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

「中国人みたい」と言われる日本人について

「なんだかあの人、中国人みたいよね?」
と中国在住の日本人から言われる日本人がいる。


言い換えれば、「日本人らしくない日本人。中国人っぽい感覚の日本人」という意味だ。


たとえば、私の知っているある男性は、周囲の日本人から陰で、そう言われている。気配り、気遣いと言ったことの全くできない男性で、みんなから煙たがられている。声がやたら大きく、シーンと静まり返った公の場でも、一人で大声で話す。何事においても自己中心的で、常に自分が話題の中心にいないと気が済まない。実際は、いつも蚊帳の外に追いやられているのだが、本人にその自覚は全くない。


また、別の男性も、同じように「中国人みたい」と陰で言われているが、前述の彼とはちょっとタイプが違う。約束の時間に必ず遅れる。頼んだことをすぐに忘れる。重要なことを重要だと認識できない。これから3年も中国で暮らすというのに、会社から言われていたビザの申請をせずに中国へ来た。なぜだと上司に詰め寄られた時、「友達から中国はノービザでも入れると言われたので」と平然と答えた。


ほかにも「中国人っぽいと言われる日本人」はたくさんいるが、みんな本人の知らないところでそう呼ばれている。つまり、悪口なのだ。


さて、果たして彼らは本当に中国人っぽいのかどうか、という問題であるが……。


確かに、自分がすべての物事の中心であるという考え方や、何事においてもテキトーだったりするところは、中国人っぽいと言えるだろう。しかし、彼らのような人が果たして中国人そのものかというと、それに対しては私は懐疑的である。


中華人民共和国」の「中華」とは、世界の中心を意味すると聞いたことがあるが、いわゆる中華思想とジコチューとは、別物だろう。


何事においてもテキトーな中国人というのは確かに多いが、ビザの申請手続きをするように会社から言われていても、それに逆らって「友達」からの情報の方を独断で優先するような中国人には、私は未だかつてお目にかかったことがない。


実際、前述の二人の日本人男性は、中国人からも嫌われている。当然である。この手の人は、世界中どこでも生きていけるだろうが、どこでも嫌われるはずだ。


日本人同士が、こんな噂話に花を咲かせている時、それをそばで中国人が聞いていたら、きっと嫌な気持ちがするだろうな、と思った。