ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

中国でのストレスの溜め方


ストレス発散が苦手な私は、中国で生活し始めてまもなく、うつ病を発症していた。専門の医師が少ないため、診断が遅れたが、治療開始からもうすぐ1年。抗うつ剤の減薬を開始し、順調に回復してきている。抗不安薬などの内服もこの数ヶ月一度もない。睡眠障害も、睡眠導入剤を使いながらではあるが、徐々にコントロールできるようになってきた。


さて、そんなわけで、私は中国でのストレスの溜め方については、一家言持っている。どうすれば無理なく無駄なくストレスが溜められるのか、今日は思い切って公開したいと思う。貯蓄は少なくても、誰にでも簡単にストレスが溜められる秘訣とは!?


きょうの出来事
1.タクシーに乗り、運転手のオバはんが私の言った通りの道を走ろうとしない。「あの道は信号が多い」「あの交差点は左折するのに4〜5回信号にひっかかる」「道路の向かい側で降りて道を横断してくれないか」と何しろ注文が多い。しかし、実際は信号にひっかかったのはたったの1回だけ。左折するのもスムーズで、車なんか一台も左折待ちしていなかった。私が言った通りの道を行ったら、あっという間に目的地に到着した。運転手のオバはんは、憮然としていた。憮然としたいのは、私の方じゃい!
2.コンビニでイチゴとミネラルウォーターと牛乳を買った。エコバッグを差し出すと、一番下にイチゴを入れやがった店員。潰すな、アホたれ! 潰すなら牛乳かけてからにしてくれ!
3.しかもこの店員、お釣りを投げて寄こした。今日びの中国人は、さすがにお金は投げなくなり、マナーもだいぶ良くなってきたのだが、久々の古代遺跡発見だ。あんた、接客業向いてないよ!
4.友人といっしょに月に一度の贅沢を味わいに、イタリア料理店へ。若い中国人の男性店員が、私たちのテーブルの担当になった。こっちがいくら中国語で話しても、返事はすべて英語。アホたれ、英語ができたら、今頃、中国なんかに居りゃせんわ! おのれの語学力をひけらかすなっつーの。


……と、言いたいことをぶちまけて、スッキリすれば、ストレスなんか溜まらないはずなのだが、私の悪いくせは、ここで中国人を弁護しようと、あとでアレコレ考えるくせがあるのだ。
1.運転手のオバはんだって、プロとしてのプライドがあるのだ。外人に指図されてその通りに走るなんて、プロ魂が許さなかったに違いない。しかも、結果、自分の選択がすべて間違っていたと分かり、ズタボロに傷ついたのだろう。ごめんな、オバはん。
2.コンビニ店員と言ったって、特に社員教育を受けているわけではない。イチゴが潰れないように一番上に入れるなんて配慮は、昨日まで農作業をしていたような人には度台むりな話だ。自分でサッキングすればよかったのである。
3.釣銭を投げて寄こすという、旧時代の中国人がまだこの都会にも存在していたという発見ができて、一つ話題が増えたと喜ぶべき。だって、それだけ中国のサービスが発展しているという証なのだから、私たち外国人にとって、暮らしやすい街に変わってきているということに気づかせてくれたわけだ。ありがとう、店員!
4.同じ語学を志す者として、会話力アップのチャンスは逃さない、という彼の姿勢を見習うべきだ。私はこの押しの弱さでずいぶん損をしている。


このように自分でわざわざ中国人の言動を正当化しはじめると、本心と理屈との間で、非常に葛藤が生じる。すなわちこれがストレスの元凶である。やめりゃいいのに、またやっちゃったよ。こんなことしてるから、いつまでもこの暮らしにくい国に居続けるはめになっちゃったんだな。悔しいから、まだ居るけどさ。この4月5日で、中国生活5周年だ。褒められた話じゃないよな、まったく。