邮票
中国語で、郵便切手のことを邮票(you2piao4ヨウピアオ)といいます。
今日は、この邮票のお話。
中国人の友人から手紙が届き、
楽しくうれしく読んだ後、
封筒に貼られた切手が、
とても美しくて、
おもわず近眼用の眼鏡を外してじっくり見てみたところ…
一枚目と二枚目――
右の切手は、とってもキレイ。
明・纏枝蓮紋直頸瓶と書かれた、3元切手。
左の切手は、ちょっとビックリ。
中華大刀螳というカマキリの絵の、2元切手。
言っちゃ悪いが、絵があまり上手じゃなくて、印刷も荒く、ちょっとキモイ。
そして三枚目――
ベッドに横たわった男性を見舞う白い着物の男性。
そしてその後ろでさめざめと泣く二人の男性。
なんだこれは!
臨終のシーンを切手の絵柄にするって、
かなりえぐいじゃないか!
と、眼鏡を外してよく見てみると、
白帝托孤とある。
劉備が白帝城にこもり、
病の床に伏し、
いまわの際に、諸葛亮と二人の太子を呼びよせ、
自分の子を諸葛亮に託すという名場面でした。
なんだろな、これって、
源氏物語絵巻の、柏木がいまわの際に夕霧の見舞いを受け、
宝物だった笛が不義の子・薫に渡るよう念じて、
夕霧に手渡す、あのシーンみたいなもんかなぁ。
ずっと中国にいたくせに、
三国志のことがほとんどわかっていないのであった。すまん…
でも、よく見てみると、
柏木のシーンと、白帝托孤のシーンとに共通しているのは、
今まさに死のうとしている人が、
二人とも、冠を着けていること。
偉い人というのは、昔は人と会うとき、
冠を外さなかったそうですから、
これらの絵は、非常に習俗に忠実なんですね。