ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

旅の相性

春節休暇を利用して、旅行に行ったという日本人のお友達。その方とは、団体旅行で何度か御一緒したことがあるのですが、私が旅に求めるものと、彼が求めるものは、全く違うと言っても言いすぎではありません。


彼にとっての旅は、「スタンプラリー」そのもの。今は中国に駐在しているので、中国の世界遺産を制覇すると言って、休みの度に、奥様を連れて世界遺産めぐりをしています。奥様は、「私はなんでもイイ」という大らかな人で、いつもニコニコ着いていっています。


私は、そういう世界遺産巡り的なものは、「どーでもイイ」と思ってしまう了見の狭い人間なので、ただただ彼の世界遺産スタンプラリー記録を、割と冷ややかな目で見ているクチです。そのくせ、「旅へのこだわり」というものがほとんどなく、強いて言えば、風の向くまま気の向くままという旅が好きだ、というくらいでしょうか。だから、「今回は、ここを潰した」という彼とは、水と油だと思っていました。


ところが、ですね。彼も私も、旅が好きというところでは共通項があるわけで、何にも接点が無いわけではなかったのです。


今回、私は思い切って、彼にこれまでに行った「3大がっかり世界遺産(中国編)」をたずねてみたのです。


そしたら、3つどころか、5つも6つも出てくる! 「行く前から、どうせ大した所じゃねーだろうと思って行く場合もあるし、すごく期待して行って裏切られる場合もある。でも、最近、結構、俺の勘、当たるんだよなぁ」。


次に、「3大良かったところ(中国編・世界遺産以外も含む)」をたずねたところ、なんと、堂々の第一位に輝いたのは、ハルピンの氷祭り・雪祭り世界遺産じゃないんですよ。「氷祭りと雪祭りは、毎年作って、すぐに壊しちゃうものだから、世界遺産には登録されないけれど、あれは俺の中では世界遺産だ」。


思わず拍手してしまいました。私と彼の違いは、旅に求めるものの違いではなく、単に「経済的余裕があるかないか」の違いだということがはっきりし、なんだかなぁ〜という思いが去来しております…。