ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

爆笑のマスク

春節休みが明け、今日から出勤。長期法定休暇のあとの土日は、中国ではほとんどが出勤となります。


さて、昨今の大気汚染問題に頭を痛め、今朝も早くから「仕事始め」の爆竹・花火がどんぱちしていたので、ためらいもなくマスクをして出勤しました。


すると、社員が一斉に大爆笑。「やっぱりyueyaは、マスクしてきた!」と口々に言って涙を流して笑い転げています。「日本人はマスク好きだよね〜」「しかも手術用みたいなお医者さんっぽいマスク」「一次性(使い捨て)でしょ?」「日本製?」とまるで記者会見のよう。


「アホか、あんたら! 公害で病気になって、後遺症で身体に障害が出ても、労災は下りんよ!」と反駁すると、また爆笑。どうやらこのニュースをテレビで見たようなのです。


中国大気汚染、医師団を北京へ 日本人に問診や健康相談
朝日新聞デジタル 2月8日(金)12時28分配信

 微小粒子状物質PM2・5による中国の大気汚染問題で、政府は北京に数人の医師団を近く派遣することを決めた。邦人に対し、日本大使館内で問診や健康相談を行う。

 北京の日本大使館は6日、駐在員と家族約150人を対象に説明会を開催。現地邦人の健康不安が高まっており、医師を派遣する必要があると判断した。

 政府は国民への情報提供のあり方も検討。国内の汚染状況を知らせる環境省のホームページ(HP)の広域監視システムにアクセスが集中し、つながりにくい状況が続いているため、サーバー容量が大きい首相官邸HPの活用を検討する。


ウチの会社のスタッフは、反日ではないのですが、やっぱり大気汚染の問題なんて、自分の生活とは無関係だと思っている人が多く、「日本人は神経質だからすぐにマスクをする」というのが一種のジョークになっているようなのです。「日本人は何回もおじぎをする」「日本人は首を縦に振りながら会話をする」みたいなもので、毒はないけど、ちょっと嘲笑が込められています。


私はウチの中国人スタッフ達のことが大好きですし、彼らも「yueyaならジョークとして受け取ってくれる」という絶対の自信があってのことですから、険悪な感じにはなりませんでしたが、ある一人のスタッフが、あとで私のところにやってきて、「実際、どうなんですか?」と真顔で聞いてきました。


「これから日本のお医者さんが北京の汚染の調査をしてくれるから、その結果を待つしかないけど、結果を待っても、中国政府や日本政府やそのお医者さん達が、私達の健康を守ってくれるわけじゃないでしょ? だから、自分の身は自分で守るしかないと私は思っているよ」
と話しました。


すると彼女は、「マスクしてれば、大丈夫なんですか?」と心配そう。


「大丈夫かどうかは分からないけど、出来る限りのことをしようと思うなら、面倒くさがらずにマスクをして、外出から帰ったら手洗いとうがいをして、ちょっと喉がおかしいなと思ったら、外出はなるべく控えるとかしていかないとね」


彼女は深くうなずいて、「セブンイレブンにいけば、良いマスクがありますか?」というので、いっしょに買いにいきました。花粉対策用の白元の使い捨てマスクがありました。完全に輸入品でしたが、MADE IN CHINAなのが笑えます。「yueya、これ、中国製だよ」「大丈夫。着けてみたら違いがわかる!」


今まで彼女は、このタイプの使い捨てマスクは、息苦しくて使ったことがない、と言っていたのですが、「わあ、ちゃんと息ができる〜!」と小躍りして喜んでいました。「もうこれで大丈夫ですかね〜?」「いや、だから、大丈夫かどうか分からないけど、大丈夫になるまでマスクはしないと」「夏もですか?」「夏も、です」「ああ、息もできないなんて、変な国。やんなっちゃう。シンガポールに旅行に行ったとき、きれいな街だなぁと思ったけど、日本のきれいさは空気のきれいさなんだ、と思ったのを思い出しました。日本はいいなぁ。中国の大気汚染、助けてくれないかなぁ」…ですって。


助けてあげたいけどね〜。大人の世界は複雑なのだよ。