ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

日本に帰りたい

昨日の「カンブリア宮殿」ごらんになりましたか。筆記具のパイロットさんが今回の主役で、消せるボールペン「フリクション」の開発秘話などを中心に、パイロットの取り組みが紹介されていました。


もう、こういう番組を見ると、猛烈に日本に帰りたいという気分になっちゃいますね〜。


中国の文具は昨今、かなり技術的な進歩が見られるようになってきて、最初からインクが出ないボールペンなんていうイリュージョンな商品はほとんど姿を消しました。しかし、あえて名づけさせていただきますが、ステーショナリー先進国・日本から見たら、申し訳ないけど「ふ〜ん、だから?」とツッコミたくなるような中途半端な商品ばかりなんです。たとえば、「お、書き味いいな。またこれ買おう!」と2本目を買うと、書き味がぜんぜん変わっていて、アウト。…とか。グリップ部分のデザインがとても美しく、見た目はいいのに、滑って滑って書きにくい。…とか。キャップを閉めた時に、パチンって音がするでしょう? あれがある日突然、聞こえなくなる。…とか。(注)事実、日本製のボールペンは非常に軽やかな気持ちの良いパチン音がして、手ごたえと音が合致しているんですが、中国のパチン音は、ただ鳴らしているだけ。手ごたえと音にギャップがあって、おおむね最初から音が弱い。そして、ある日、鳴かなくなる。


なんというか、使う人の夢や希望や想いを全く考慮しない商品開発ばかりで、文具メーカーはやってて楽しいんだろうか。見た目は日本の文具の受け売り商品ばかり。水性ボールペンなどはその最たるものです。ちょっと見、ビジネスマンらしい体をなしていて、シンプルでスタイリッシュ。ところが書くと「なんだ凡人じゃん」というボールペン。わかるかしら、こんなたとえで…。見習っていただけるのは、日本人としては非常に嬉しいですが、見てくれだけまねしても、日本製品の凄さには追いつけない、ということを、中国人はわかってない。わかってる? わかってるんだろうなぁ〜。わかってるけど、とりあえず目先のお金が大事ということなんでしょうね。まあ、それは仕方がない。日本人は世界一、しつこい民族。パイロットのフリクションも発売まで、30年の研究を重ねてきているそうだし。そんなこと真似しろとは、中国人には言えません。無理だもん。


で、番組の中で、たくさんのパイロット製品が出てきました。ああ、欲しい! どれもこれも欲しい! 棚ごと買い占めたい! 書くことを商売にしている人間にとっては、筆記具ってものすごく重要なものだと思いませんか? パイロットの社長が、手書きの良さについて、書く人の思いが伝わる伝達手段だとおっしゃっていたのを聞き、司会の村上龍さんが、アシスタントの菊川怜ちゃんに、「どうして作家の俺にも振らない?」とお冠。村上氏は、原稿を手書きするとき、考えているのは頭のはずなのに、ときどき、「この辺(手元)で考えているような感じがする」とおっしゃっていました。そう! なんかよく分かる。これを神の降臨と呼ぶ人が結構いますが、ペンの書き味が悪いと、決して神は降臨しないのですよね。


日本の商品は、筆記具に限らず、神を降臨させてくれるものが、とっても多いですね。ああ、本当に日本に帰って、あれやこれや買い占めたい! みなさま、内需拡大に協力して、私に無償でフリクション送ってくれません?