ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

こんなときに経済学の勉強

さて、西暦のお正月を迎えたとき、2012年にやり残したことを、旧正月までに片付けようと誓いを立てました。普段疎遠になっているお友達にメールをしたり、お食事に行ったり、とりあえずそんなことをして、もうひとつ、以前から気になっていた「経済学の基礎を学びたい」という思いを形にしてみようと、現代人の常識の範囲から勉強をスタートさせました。


使っているのは、『池上彰のやさしい経済学』。氏の解説で、ニュースに関心を持つようになった日本人は昨今大勢いらっしゃると思いますが、私もその一人。当地で、日系企業にインタビューに行ったりすると、どうしても「経済」の話がついて回ります。そのときに、少しでも相手の言葉に喰らいつけるよう、わずかずつではありますが、勉強をしてきました。でも、決定的に不足していたのが、経済用語を使いこなす記憶力。つまり、ニュースや新聞に目を通しているだけだと、経済用語は脳を通過していくだけで、自分のものにならないのです。「なんとなく意味はわかります」という状態と、用語の意味をきちんと抑えているという状態とでは、インタビューの焦点が変わってくるんですね。


そのために、私は、池上彰氏のわかりやすい解説で、経済用語を使いこなせるようになるまで、繰り返し学習を始めました。御著書もたくさんある上、テレビにもお出になっているので、池上氏の名前を目にすると、必ず内容をチェックし、ノートにまとめるようにしています。すると、池上氏は、いくつかのわかりやすいキーワードを繰り返し使っておられることに気づきます。「景気の気は、気分の気」とか、「お金はくるくる回っている」とか。このキーワードが、池上氏よりも先に頭に浮かぶようになると、経済ニュースに触れたとき、理解が早くなることに気づきました。


おととい勉強したセクションで、心に残った講義内容がありました。イギリスの経済学者デヴィッド・リカードの「比較優位」です。他者と比べたときに、絶対優位ではないけれど、自分にもそれほど悪くはないという優位なものがあるはず。かなわないなと思う人は世の中には大勢いるけれど、「自分はこの分野では結構いい線いってる」というものを見つけ出し、その分野で優れた人といっしょに働けば、より大きな効果が得られる、という「比較優位」の経済理論です。


これって、経済の世界に限らず、「役割分担」という場面で、日常的にも無意識に行っていることですよね。有能な人が大事なことに専念できるように、それよりも劣るがとりあえず出来る人が、細かなことを受け持ち、全体の効率を上げるということで、家庭の中でも、職場の中でも、そういう役割分担というのは自然に出来上がっていきます。


私は今年は、職場での役割分担を、はっきりさせていこうと考えました。今は、みんなが同じことを同じ方向を向いてやっていますが、確かにそれでは、有能な社員への負担が大きすぎて、たいした効果が得られません。まずは、私から一つのことに特化できるような仕組みに自ら入っていって、部下に追随させていこうと、そういう方針を立てました。できるかな?


あ、なんだか外が騒がしくなってきました。ちょっと花火見学してきます。