ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

笑顔で「我是日本人!」

尖閣問題に伴って、相変わらず中国国内では、日本人が小さくなって暮らしています。私の周りの日本人駐在員やそのご家族は、「タクシーに乗るのが怖い」とか「日本式の居酒屋から夜外に出るのが怖い」とか、かなりナーバスになっていらっしゃいます。普段は、タクシーで移動していた人が、専属の運転手を雇ったり、電車を利用したりして、危険を回避しているようです。


ところが、私はぜんぜん怖いと思ったことがありません。私は「同じ人間同士、話せば分かる!」と思っているからです。タクシーに乗って、ものの30秒も話すと、だいたい私が外国人であることを見抜かれます。「どこの人?」と運転手は必ず聞いてきます。そのときに、多くの日本人が「韓国人」と答えたり、何を聞かれたのか分からないフリをして黙っていたりするそうですが、これはいけません。狭いタクシーの中。嘘を言っていたり、何かを隠そうとしたりすると、たいてい嫌な空気が流れるものです。「あ、この人、日本人なんだ」と運転手に一発で見抜かれる反応です。


私は、ちょっと恥ずかしそうな表情を見せながら、「ごめん、私、実は日本人なんだ」と正直に言うようにしています。これまで、このように答えて、「降りろ!」と言われたことは一度もありません。ほとんどの運転手さんが、ゆかいそうに笑って、「そうか、日本人か。ぜんぜん構わないよ。我々庶民には、関係ない話さ」とかえって会話がはずみます。そして、中国人が中国政府の悪口を言い、日本人が日本政府の悪口を言う、という「譲歩の外交」に成功するのであります。


もちろん地域によっては、こんなやり方じゃ、安全は確保できない場所もあるとは思うのですが、嘘や隠し事で、物事が平和に解決したためしがこれまであったでしょうか? 正直にオープンに生きることで、命を奪われるなら、私は本望です。神様はきっと見ているよ。