ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

カタカナの才能

仕事上で私の片腕となってくれている中国人の部下が二人あります。二人とも良い大学をきちんと卒業しているエリートさんで、私なんぞよりもずっと出来が良い子たちです。もちろん日本語もできます。


一人は、実務上不自由のない十分な日本語力があり、流行語や外来語(いわゆるカタカナ用語)にもアレルギーがなくて、助かっています。ところが、もう一人の方が、少々問題アリの日本語力で難儀しています。彼はちょっと頭が良すぎるところがあって、中国人同士でもコミュニケーションに困るような発想と喋り方なんです。つまり、瞬時にいろんなことを考え付くため、突然話が飛ぶんです。日本人にもいますよね。自分だけが分かっているような喋り方をする人。


エリートにありがちなことですが、学生時代は日本語を真剣に学んできているけれど、社会に出てからの日本語コミュニケーション力が乏しいのだろうと言う事が、普段の彼を見ていて、すぐに分かりました。日本人の話を聞いて、そこから新しい表現を盗み取り、身につける、という学習が全くできません。まあ、要は人の話をあんまり聞いていないのです。頭が良いので、「一を聞いて十を知る」という習慣が抜けず、あれこれ考えながら上の空で人の話を聞いているようです。


一番困っているのは、彼のカタカナアレルギー。何か書かせると、99.999999999999999999999999999999999%、カタカナ用語が間違っています。


以下、ことごとく間違っている彼のカタカナ日本語。長音、促音、撥音の位置を入れ替えると、正解が分かります。
キャンーペン、ロカール、スッペク、アドバンーテジ、プライバーシ、パスポット、リゾット(リゾートが正解)、リゾート(こちらはリゾットが正解)、クリッニク、オプーン、バスッケートボル、イメジーチェッンジ(どうやって入力しているんだろう)、リラークゼション、ブムー、キチッン(発音不能)、バトンターチ、クリニーンーグ、オダメーイド……


最初のうちは、私も笑って見ていられたのですが、さすがにここまで徹底的に間違われると、イライラしてくるので、先日彼に、「ちょっとカタカナ用語の勉強をしたら?」と忠告したんです。そしたら、傍らで聞いていたもう一人の部下が、


「彼はムリです。何度教えても、提米拉斯って言うんですよ」


中国語でティラミスのことを、提拉米斯(ti la mi si)と言うのですが、これも、「拉」と「米」がひっくり返っているんです。ウチの母でさえ、ティラミスってちゃんと言えるぞ。