ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

私の中国語力が低い(言い)訳

もう何年も中国で暮らしているのに、私の中国語は一向に開花しません。もうこの3年くらいは、ほとんど諦めモードに入っていて、「私には語学のセンスがないんだ」と自分に言い聞かせていました。


でも、どうも自分自身が納得できないのです。なぜ、この私に出来ないのだろうと。とても驕った言い方に聞こえるかもしれないのですが、私自身は最高に語学センスに長けていると思っているのです。


小学生の頃から、作文や読書感想文を書かせるといつも賞を貰ってくるような子でした。ちょっとした言葉のニュアンスを感じ取る力も持っていたようで、1年生の時の担任の先生から、「yueyaちゃんの国語力には目を見張るものがあります。褒めてあげてください」と言われた母は、以来私の文章力を育てようと褒めて褒めて伸ばしてくれました。大学も国文学科に進み、卒業後はライターになりました。商業ライターですが、それなりの賞をいただいたこともあります。「yueyaさんって、文章うまいよね〜」と友達から言われると、「いやぁ、これでも一応、プロなんで…」と何時の頃からか、そう答えるようになっていました。


だからこそ、この私が、中国語なんぞに手を焼くなんて、絶対にありえないと思っていたのです。語学は若いうちほど上達が速いと言いますから、30半ばでスタートしたというハンデは確かにあります。でも客観的に見ても、中国語って発音以外はそれほど難しい言語ではないんです。発音は日本にいた時に徹底的に訓練してもらったので、悪くはない。高低アクセントもクラスで一番の成績だった。音感もリズム感も悪くないのだ。なのになのに、それなのに…よよよ…


BUT!


苦節10年! 今日、なぜ私がこんなにダメなのか、はっきりとした理由がわかったのです! 記念すべき日です。こういうことは日記に書き残すものと昔から決まっているので、書いておきます。


答えは、新潮文庫『機長からアナウンス』(内田幹樹・著)P48にありました。パイロットの中にはコンピューターに精通している人がいる、という話の中で、こんなクダリがあったのです。内田氏はこういうパイロットを、“パソコンの神様”と表現しているのですが…

…(略)…“パソコンの神様”のなかには飛行機のコンピューターがだめだ、という人がいる。
 なぜかというと、パソコンの場合には中身がどうなっているか全部把握しているので、「こういう使い方をすればこういう結果になる」とわかる。ところが、飛行機のコンピューターは飛ばすための使い方しか教わらない。裏がどうなっているかまでは教わらないから、そういう人たちは、「裏がわからないから、このコンピューターが理解できない」と不安になってしまうのだ。…(略)…


そう! その通り! 中国語のすべてが分からないと私には永遠に中国語が使えないのです。


昔、コンビニでバイトしていて、宅急便の受付をするときのレジ操作が分からず難儀しました。みんな簡単に覚えるのに、私だけ出来ないのです。それは、全体像が把握できていなかったからでした。細切れの知識だけだと、私はいかなる時でも前に進めない。覚えられない。そういう厄介なタチなのです。


さて、原因がわかったところで、どうするかという今後の対策についてですが、空飛ぶエリートのパイロットでさえ、飛行機のコンピューターが苦手という人がいるのですから、私ごときが「出来るようになりたい」なんておこがましいにも程があります。そんなわけで、今後も努力せずにがんばりたいと思います。


いやぁ、そうかー。そうだったのかー。

機長からアナウンス (新潮文庫)

機長からアナウンス (新潮文庫)