ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

グロテスクなものを好む中国人

中国はご存知の通り情報統制されている国ですので、あまり人心を乱すような報道はされないのですが、今回、カナダ人によって殺害された中国人留学生のニュースは、インターネットで瞬く間に広まりました。今、もっとも話題になっているニュースです。


殺した後に遺体をバラバラに切り刻み、食べたり、郵便で人体の一部を送りつけたりするその猟奇性に、中国では若者を中心にさまざまな論争を呼んでいます。


この国の人たちはこういった殺人事件にあまり日常性を感じていません。いや、感じないほうが良いのですが、まるでドラマや映画の中の出来事のように捉えている人も多く、現実の世界で起きた事件だとはあまり感じていないようです。不思議なもので、犯罪の猟奇性は、経済発展と関係があるようで、日本もアメリカの後を追うように、こういった事件が頻発するようになった当初は、今の中国人と同じような思いで事件の成り行きを見守っていましたね。


日本では、毎日、嘘のような事件が次々に起きています。天災は防ぎようがないものですが、今回大阪で起きた通り魔殺人なども、社会の歪が生んだ事件の一つかもしれません。


しかし、中国のそれと異なるのは、中国人がある種のグロテスクな嗜好をもって見ている点です。日本は、戦中辺りにグロとかエロを徹底的に排除し、倫理観からこういったものを嫌う傾向にありますが、中国にはそこまでの感覚がありません。博物館などに行っても、かなりグロテスクな標本がズラズラ並んでいますし、料理なども目をそむけたくなるような調理法のものがよく見られます。そういうものに対し、ある種の喜びを感じる民族なのだと思いますが、今回の殺人事件においても、どこかで狂喜している感覚が否めません。


以前、私の同僚の中国人広告デザイナーが、写真のモデルの体を上半身と下半身で真っ二つに切り、間に文字を入れたデザインをしたことがありました。切り口も斜めに鋭角にカットしてあって、一目見て恐怖を覚えました。また、別のデザイナーは、「は」とか「る」とか「の」などの平仮名の丸くなっている部分に、人間の目玉の写真を埋め込んでいました。イラストではなく、本当の人間の目の写真です。


それから、セブンイレブンのおでんのメニュー看板に、目玉だけのキャラクターが使われています。鬼太郎のオヤジみたいなイラストなのですが、「なぜおでんのキャラクターが目玉なんだ」とちょっと気味が悪いのです。


ほかにも、大きな生の魚をぶつ切りにした写真をレストランのメニューに使ってあったり、山に生えているキノコの写真が、鍋料理のメニューに載っていたり(かなり薄気味悪いです)、グロテスクなものに対して、本能的な快感を感じているのではないか、と感じずにはいられないものが、巷にあふれているのです。


この国が、この先、どんどん経済発展していったとして、犯罪が都市化し、今日のアメリカや日本のような様相を呈してきたら、一体どんな国になってしまうだろうか、と空恐ろしい気がします。そんな日が来ないことを祈らずにいられません。