ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

成功者の思考

巨人の杉内俊哉投手が、今日のセパ交流戦の対楽天戦で、ノーヒットノーランを達成しましたね。たまたま友達の家で観戦していたので、私はラッキーでした。


ゲームセットの直後、杉内選手が天を仰ぎ、何かを叫びました。それは日本人なら誰もがわかる「やったー!」という口の動きでした。安堵と喜びが入り混じった最高の表情でした。スタンドからは惜しみない歓声と拍手が沸き起こっていました。


完全試合を目の前にしながら、惜しくも四球を出し、ノーヒットノーランにおさまった……と私は思っていました。彼も人なり。激しいプレッシャーの中で、彼は最大限にがんばったのだ、と信じて疑いませんでした。


ところがヒーローインタビューを見て、驚がく!


あの状況でヒットで出塁されるより、四球を選んだ、という彼の計算だったのだそうですね。これがプロというものなのでしょうか。


外国で働いていると、日本では到底お会いできないような、社会的に立派な立場におられる方々とお会いする機会がたくさんあります。小さな日本人社会の中では、大会社の社長も、私のようなしがない勤め人も、同じ日本人同士、壁がありません。


そういう方々とお会いする中で、創業者の方々とお話できる機会に恵まれると、本当に良いお話がたくさん聞けます。私が思うに、成功者には二通りあって、ざっくりと大きな勘定をしながら目標を高く持ち決して諦めないタイプの人と、どんなに小さなものでも勘定に入れながら常に前進を続ける堅実派の人とがあるように思います。前者は失敗もあるが当たればデカイというリスクに強い人です。もちろん発想力や着眼点という部分では非常に非凡で、だからこそ人々をひきつけ事業を成功に導いているのだと思います。後者は、完璧なまでのリスクヘッジを行い、確実に打てば当たるという計算を常に行っています。無駄がなく、確実に利益を残せる手段を講じ、「あの人は何をやっても成功する」と言われるくらいの手腕を持っています。


私はどちらのタイプでもありません。むしろ大きな賭けに出ることが苦手で臆病で、かといって先を読む目もなく、ただやみくもに歩き続けているだけ。つまり、「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」の典型で、じっと手を見る日々なわけです。


今日の杉内投手は、完全に後者のタイプでしょう。ただやみくもにがんばって、その結果がノーヒットノーランだったのではなく、ちゃんと計算の上でのノーヒットノーランだったのです。無邪気な笑顔にだまされちゃいけません。いけません…。


中国での事業は、どちらが良いかということを考えてみましたが、日々堅実に隙のない管理を行って従業員を引き締め、ピンチや逆境にぶつかったときに、それをチャンスに変えるために大きく動く。そういうやり方がうまくいくように思います。ストライキなどで肝をつぶす日系企業の幹部の方々には、ぜひそうあって欲しいと思います。ストライキはピンチではなく、会社を変革する最大のチャンスなんですね。日本人には得意なことのはずなんですが、なかなか勇気が出ないという人も多いようです。今日の試合を見ていた総経理の皆様は、杉内投手にきっと勇気付けられたのではないか、と思います。