ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

バタコは最高!

タイやラオスあたりでは、トゥクトゥクサムロー)と呼ばれる乗り物がありますよね。バイクの後ろに座席の箱が付いていて、街を縦横無尽に走るバイクタクシー。私の住んでいる街では、日本人留学生の間で「バタコ」と呼ばれているそうなのですが、私はコイツが大好きです。


基本的には庶民の足で、日本人は乗りたがらないのですが、実はとっても便利なのです。特に、突然雨が降り出した時などは最高です。あまり雨の降らない地域なので、普段みんな傘を持ち歩きません。ですから、突然雨に降られると、ネコもシャクシもタクシーをつかまえるので、街から一斉に空車のタクシーが消えうせます。タクシードライバーも、客の足元を見て、通常の料金の倍以上の金額をふっかけてきたり、相乗りを強要されたり、さんざんの目に遭うのです。ところがバタコは、そんなときでも平然と通常営業。突然の雨で大渋滞した大通りでも、脇道をスイスイ走りぬけ、あっという間に家に帰れるというわけです。料金は乗車時に交渉。この街の物価の感覚が身についている人なら大きくぼられる心配もありません。運転手さんもタクシードライバーより気さくな人が多く、
「○○街まで行ってくれる?」
と言うと、
「おお、まかせとけ!」
ってな具合で、実に爽快。雨の日も風の日も雪の日も、雷が鳴っていたって、華麗な運転技術を披露するかのように、道なき道をゆき、バスもタクシーも乗用車もパトカーでさえも、追い抜いていきます。あたかもそれはスラロームを楽しむかのようで、実に軽快なのです!


私が住んでいるマンションは、この街の中でも1、2を争う交通量の激しい交差点にあり、タクシードライバーが最も嫌うエリアの1つに挙げられています。この交差点を左折するのに、信号が3回変わるのは当たり前。歩いても5分かからない距離を20分も渋滞にはまるという、とんでもない場所です。しかし、バタコは渋滞知らずなので、魔の交差点を斜め横断したり、変則二段階左折(一旦歩道に乗り上げて信号を無視して無理やり左折すること)をしたり、おきて破りの時短走行を決行。誰よりも要領よく曲がりきってくれたりすると、チップに2元ほど渡してしまいます。2元とは日本円で30円ほど。これで運転手さんの満面の笑みが見られるなら、安いものです。


今日は金曜だったので、どうしてもタクシーがつかまらず、歩道に立っていると耳がちぎれるほど寒かったので、バタコで帰宅しました。金曜の夜の大渋滞をタクシーで帰ろうとするとぼんぼんメーターが上がり、ドキドキしてしまうのですが、バタコの運転手さんは「10元でいいよ」と言ってくれました。途中、赤信号でもないのに一旦停車したので、「あれ、故障か?!」とヒヤリとしましたが、どうやら運転手さん、あまりの寒さに鼻水が垂れてきたらしく、プーッと手鼻をかんで、再び走り始めました。大笑いしました。