ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

ドラマ派、映画派、音楽派

永遠の中級、だったかな? 中国語の相原先生がおっしゃった名言。語学を修めるには、誰もがいくつかの壁を越えなければならないものですが、中国語には、中級と上級の間に大きな壁があるらしいのです。他の外国語のことは分からないけれど、確かに中国語の場合には、かなり厚くて高くて頑丈な壁が立ちはだかっています。なぜそう言い切れるか、というと、私がその壁をいまだに越えられずにいるからに他なりません。なかなか中級から抜けられず、「ひょっとして私、一生、中級のまま?」と不安になる。そんな永遠の中級……。


しかし、私の周りにいる日本人のお友達で、この「中級」の壁をみごと突破し、「上級」エリアに暮らしている方々は何人もいらっしゃいます。皆さん、等しく努力家で、私のようにゴタクばかりならべている「口先だけの学習者」とは比べ物にならないほど、いっしょうけんめいコツコツと勉強してきた方々ばかりです。


先日、仕事で、たまたまこういった方々と同席する機会に恵まれました。全員日本人なのに、ちょっと日本人っぽくない方々ばかり。何がどう違うのかよく分からないのですが、しいて言うなら、なんとなく「オタク風情」なのであります。ギャルっぽい服装やメイクをしていても、ギョーカイ風のジャケットにビンテージデニムを履いていても、なんだかちょっとオタクなのです。


そんな中に一人「永遠の中級」の私が混じっているわけですから、怖いものはありません。思い切って尋ねてみたんです。
「みなさん、なんでそんなにオタクっぽいオーラを持っていらっしゃるんですか?」


不思議なもので、オタクって、オタクであることに誇りを持っていらっしゃる。
「私は、中国ドラマオタクですね〜」
「僕は、中国の歌謡曲オタク」
「私は、日本にいた頃から、中国映画にはまってました」
「僕の場合は、三国史。バカが付く位…」


「yueyaさんは、何か好きなものはないんですか?」
と尋ねられ、うぐぐ…と口ごもりました。私は中国が好きで中国にやってきたけれど、これと言って、思い入れのあるものが何一つないように思ったからです。う〜む、と腕組みしていると、私のことをとても良く知っている友達が、
「yueyaさんは、旅行大好きですよね?」
と助け船を出してくれました。そうか、私、中国旅行が好きなんだ! ちょっとお金が貯まると、全部旅行費用に当ててしまい、一時帰国するお金があったらシルクロードへ注ぎ込み、ipadを買うお金があったら四川省の山奥へ分け入りたいほど、中国旅行にはまっているのです。


「旅行って、中国語の上達に役立つと思いますよ。もっとのめりこんでもいいんじゃない?」
「でも経済的な問題には頭を痛めるでしょう。仕事持ってると、時間がないから列車で移動する旅より、どうしても飛行機が多くなるでしょうし」
「仕事が休みの時って、観光客が激増する時だから、航空券も高くなるよね」
「長期旅行も1週間が限界だよね。仕事が待ってると…」
「自分も旅行に行きたいとは思うけど、暇がない!」
「留学時代は、よかったよね〜? 金はないけど、暇はたっぷりあったから」
「もっと行っときゃ良かったと思うよ」


まあ、みなさん、人の旅行の心配までしてくださって有りがたい限り…。確かに、みなさんがおっしゃる通り、金も時間も喰うという非常に贅沢な趣味ですし、そうガツガツしないで一生かけて行きたいところをゆっくり巡るのが私の夢。永遠の中級の壁を突破するには、即席で役立つものではなさそうだと判明。


「じゃあさ、映画見なよ、映画!」
「映画もいいけど、勉強にはドラマの方がいいよ。DVDで!」
「ドラマ見始めると止まらないから、寝る時間が遅くなる。良し悪しだよ」
「音楽嫌いなの? 僕は歌の歌詞からだいぶ勉強したなぁ」
「旅行好きなら、歴史小説でしょう。三国史、読んだ?」


よりどりみどり……(苦笑)。