ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

やっぱりやったか、新幹線

中国人でさえ「やっぱりやったか!」と言うほど、中国新幹線には信用がありませんでした。温家宝首相が、安全性をアピールするかのように試乗までしたようですが、基本的に中国人はそういった報道を話半分に聞いています。


杭州発、福建省福州南行きのD3115列車が落雷で減速したところに、後続の北京南発、福州行きのD301列車が追突した、というのがこの事故の報道から伝わってきた状況。中国中央電視台CCTV)では、それほど派手に報道していませんが、中国のインターネットニュースではかなり大騒ぎしています。


事故現場は、浙江省温州市のド田舎。周囲は田んぼで、ここ最近の大雨の影響で道がぬかるんでいて、救助隊が現地に赴くのも困難を極めていると報じています。今、現地時間の24日午前1時ですが、まだ脱線した車両には多くの乗客が救出されずにいるようです。


温州市の血液ステーションでは、しきりに献血を募っていて、現在死者11名と報道されていますが、場合によると、もっと多数の死者が出るのではないかと思われます。また、当該車両には、47人の乗客が乗っていたという報道がCCTVのホームページに出ていますが、「百度」という中国で最も人気の高い検索エンジンサイトのニュース欄では、当該車両はほぼ定員いっぱいの乗客がいたという話が出ています。午前1時18分現在、新华网浙江の報道で、すでに190人が救出されたと報じていますから、47人という数字がいかにあてにならない数字か、はっきりします。1車両に何人乗車できるのか、私は知りませんが、私が先日乗った別の路線の新幹線は、片側3座席、60列くらいありましたから、もしこれと同じタイプの列車だとすると、1車両360人、2車両で720人が乗車できる計算になります。また、二等車だと座席指定券を持っていない「立ち乗り」の乗客もあるので、場合によると、もっと多くの人が乗っていた可能性も否定できません。


今回新たに開通した新幹線には2種類あって、350キロ/Hで走る新高速新幹線「高速動車組列車」と、200キロ/Hで走る新幹線「動車組列車」です。「高速動車組列車」は、「高速gaosu」の頭文字Gから始まる列車番号がついていて、「動車組列車」には、「動車dongche」のDから始まる列車番号がついています。今回事故を起こしたのは、D3115とD301で、時速200キロの方の列車でした。


中国の報道では、D3115の運転手が減速したのを、後続のD301に伝えていなかったため、衝突したと伝えています。どの程度、信憑性のある報道なのかは不明ですが、ありそうな原因ではあります。しかし、うがった見方をすれば、運転手の責任にすることで、新幹線の信用を失墜させたくないという思惑も感じられます。数日後には、何らかの事故原因が正式に発表されるとは思いますが、どっちにしても誰も信用しない事故原因ですから、適当に聞き流すか、それをネタにしておしゃべりに興じるくらいの価値しかありません。