ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

みっちゃんちの夏の花

先日、待ち合わせの時間に遅れそうになり、猛ダッシュで走っていた時、視界になつかしい夏の花が過ぎりました。あれ、何て花だっけ、と汗だくになりながら、思い出そうとしましたが、いやあ、人間、一生懸命走っているときに、何かを真剣に考えようとしても無駄なんですな。


思えば、あの花は、父も母もまだ若くて、当然、私も小さくて、三軒長屋暮らしをしていた頃に、隣りのみっちゃんちの庭に咲いていた花でした。幼稚園くらいの頃の記憶だから、花の名前はいくらか大きくなってから自分で本で調べた記憶があるのですが、どうしても思い出せません。その花の脇には、朱色のカンナと真っ赤なケイトウが並んでいて、その向かい側には、オシロイバナアジサイが咲いていました。私んちの前には、サルビアマリーゴールド、時には父が買ってきたアサガオなどが鉢植えのまま置かれていました。その向こうの家では、ナスだのキュウリだのがあって、今思えば、あれは誰が植えたものなのか、見当がつきません。長屋の大家さんが植えていたのかもしれないなぁ、と思います。どれもこれも、とてもなつかしい花で、今も鮮明に思い出せるのに、どうして、あの花の名前だけが思い出せないのか、不思議でしかたがありません。


中国に来てから、日本ではあまり見られない花に出会う機会が多く、昨年の春から、少しずつ季節の花をデジカメに収めるようになりました。最初は、中国らしい花ばかり撮っていたのですが、日本で幼い頃に見ていた花が今この中国では花壇の中心的存在になっていることに気づき、ここ最近、そういうなつかしい花にカメラを向けるようになっていました。


ダッシュで走っていたので、撮りそびれてしまったあの花。せめて、名前だけでも思い出さなければ、と必死で記憶の糸を手繰り寄せていたところ、今日、夕食を食べながら、突然、思い出したのです。


クレオメ(風蝶草)


色をビミョウに変えながら、みるみる内に大きくなり、花の周囲に放射状に広がるヒゲみたいな触角に、種のサヤができ、それがいつしか割れて、こげ茶色の種が零れ落ちます。子供の頃は、その種の粒々を指で撫で落としてみたり、まだ青いサヤを摘んでままごとのおかずにしたりして遊んでいました。この年になると、なんとも優美な花に見えます。180センチくらいある女の子が、実はものすごい美少女だった、ということに気づいた、そんな感じです。


あの場所にもう一回行って、写真が撮りたいけれど、そんな時間あるかな(*>ω<)
ゆっくり見たいな。どうしよう(´д`)