ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

ケーキの地位

今から8年も前のことです。
中国の友人のお宅におじゃまするときに、手土産にケーキを買っていこうとパン屋さんへ行きました。小さなお子さんがいるお家だったので、いろいろな種類のケーキをたくさん買って行こうと思ったんです。


ところが、いっしょに行ってくれた別の中国人のお友達が、
「手土産にケーキなんて、変だよ」
と言うのです。


「なぜ?」
「誕生日でもないのに、ケーキなんて…」
「じゃあ、こういうときは何を持っていけばいいの?」
「果物が無難でしょう」
「果物じゃ、ちょっと安すぎるのよ。すごくお世話になっている家だし」
「果物だって、高いのがあるよ」
「いや、そうだろうけど…」


私は友人の忠告を無視して、ケーキを買っていったのですが、まあ、そのケーキのまずかったこと( ´Д` )
スポンジはカチカチだし、クリームはどうやったらこんなにまずくなるのか、というくらい変な味がするし、上にのっているフルーツは、全部ニセモノだし。ブドウだと思っていたら、プチトマトだったり(Д)゜゜


でもそこん家の子供は、大喜びで、部屋中飛び跳ねてはしゃぎまわり、でんぐり返しまでしていましたが……┌|≧∇≦|┘。


しかし、この数年、中国のケーキは劇的においしくなっています。それと同時にケーキの地位も、明らかに庶民レベルになりました。まず、
「こりゃ食べられない!」
という代物が、激減しました。もちろん日本のスイーツのレベルには、まだまだ程遠いものがありますが、最低レベルの品質が飛躍的に向上しているのです。


私が暮らしている地域は、中国の中でも北方寄りに属する地域で、米も食べますが小麦の消費量の多い場所です。でも、パンやケーキの類を作るのが下手くそで、もうちょっとどうにかならないもんかね、といつも嘆いているのですが、以前のパンやケーキのお粗末ぶりを知っている者にとっては、雲泥の差があると言えるでしょう。


さて、今日、中国人のお友達のお母さんが、私達にケーキを買ってきてくださいました。相変わらずプチトマトがのっかっていましたが、スポンジはふわふわだし、クリームはインチキながらも滑らかで、フルーツソースも絶妙な酸味でした。ただし、かなり薬臭いソースでしたけどね(;^_^A


こうやってご年配の方が、
「息子がいつもお世話になっています」
と息子の友達にケーキを買ってくるなんて、中国も変わったなぁ、と思わずにはいられません。私達日本人は、みんなありがたくそのケーキをいただき、
「おぉ〜、悪くない、悪くない。懐かしい味だ」
と盛り上がりました。


甘いものが苦手な人も、なぜかケーキを前にしかめっ面はしませんね。ケーキって、人をなごませるパワーがあるんですね。中国でもっとおいしいケーキが食べられる日が一日も早くやってくるよう、心から心から願っています。なむなむ……