ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

睡眠障害

ひさびさの更新。もう皆さんに見捨てられていると思うが、それでも書き続ける。うつ病を発症して、仕事を辞め、2ヶ月半の休養を経て、転職。現在は、ライターをやってる。天国のような仕事だ。古巣に帰った喜びで満ち溢れている。


唯一私を苦しめているのは、睡眠障害だ。


うつ病患者の大半が、この睡眠障害に苦しめられる。入眠困難中途覚醒早朝覚醒・多眠などなど、人によって症状はさまざまだが、とにかく「眠ること」が苦手なうつ病患者。


私は、また珍しいケースで、上記のものに当てはまらない睡眠障害を持っている。睡眠覚醒リズム障害と俗に言われるもので、睡眠の時間帯が少しずつずれてくる症状を持っている。およそ3ヶ月周期くらいで、昼夜が逆転する。思えば、物心ついた頃からその兆候はあった。


一番厄介なのは、夜目が冴え、昼眠い、という周期に入っているときだ。社会生活が困難になる。勤め人というのは、定時に出社するのが基本であるから、朝起きられないのは致命的なのだ。


医師に相談すると、「睡眠導入剤」を処方してくれた。眠れないわけではないが、毎日決まった時刻に眠剤を服用することで、強制的に寝る。そして、無理やり定時に起きる。この凄まじい闘いが始まって、かれこれ1ヶ月になる。大脳は寝たがっているのに、無理やり起きるというのは、非常に苦しい。低血圧がどうのこうの、意思の力がどうのこうの、のレベルではない。脳が寝ているのである。目覚まし時計が鳴っても、何も考えられないのだ。体が全く動こうとしないのである。


「打つ手なし!」と一度は絶望しかかったが、こんなことで社会生活からドロップアウトするのは真っ平だと思い、あれこれ独自に調べてみた。その結果、「自己暗示」という方法が有効なのではないか、と考えた。すこぶる簡単な方法だ。


「私は、朝、7時に起きられる」


と念じてからベッドに入る。それだけだ。不思議なもので、目覚まし時計が鳴る前に、一度覚醒する。これで起きられれば苦労はないのだが、この後が、生き地獄。30〜40分かけて、這うように起きるのである。


もちろん、起きるためには、寝る前から、いろいろなウォーミングアップが必要となる。まず寝る前に、ストレッチをする。特に頭や首、腕、腰など、座業労働者がもっとも疲れる部分の凝りをほぐす。これをしておくと、疲れが取れやすくなる。


カーテンは開けっ放しで寝る。朝日が自然に寝室に入ってきて、「朝のおとずれ」を脳が自覚することで、リズム障害を克服するという方法だ。


それから、午後のカフェインは厳禁。中途覚醒しないまでも、午後にカフェインを摂取すると眠りが浅くなる。ゆえに、朝起きにくくなる。


良質の睡眠をとるために、枕元にマイナスイオンを発するランプを購入し、設置した。2億5000万年前のヒマラヤの岩塩でできた電気スタンドで、明かりをつけると岩塩が温められ、マイナスイオンを発するらしい。目に見えないものだから、真偽の程は定かではないが、なんせこのランプ、手に触れるととにかく気持ちが良いのだ。なんというか、んもう、とろ〜んとしちゃう気持ち良さなのである。これが体に悪いわけが無い、と勝手に決めつけ、即購入した。


かくして、日々、睡眠障害と闘っているのだが、うつ病が完治しても、再発してしまう人の多くが、この睡眠障害を完璧に克服できていなかった人であることがすでに研究で分かっている。うつ病の気持ちの落ち込みなどが解消されても、睡眠障害が残っていると、また発症する確率が異常に高いのだ。そして、この睡眠障害こそが、最も乗り越えにくい難関といえる。


中国の朝は早い。春夏秋冬問わず、早朝から人々が起きだし、活動を始める。中国医学では、秋から冬は、日が昇りきってから起床するのが良いと言われているようだが、現代中国に生きる人たちは、ずいぶん働き者になったようだ。その分、今の私には、過酷な環境下での治療となっていて、頭の痛いことである。


うつ病で、命を絶ってしまう人が後を絶たない。人生を投げてしまう人も大勢いる。でも、私はそんなの絶対に嫌だ。病気に負けるのが一番悔しい。


医師にそれを告げると、
「まあ、そんなに力まずに」
となだめられた。なるほど、この完璧主義が、私をうつ病に陥らせた最大の原因だったのだ。