ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

点滅信号で渡るかどうか?

私は車の免許を持っていないので、ドライバーの心理はよくわからないが、信号が黄色になったら、ドライバーはブレーキを踏むのだろうか? それとも、アクセルを踏むのだろうか?


歩行者用信号機の青が点滅しはじめたら、人は横断をあきらめるものだろうか? それとも、駆け出すものだろうか?


うつ病の診断を受けて、丸1ヶ月経った。治療と言う名のバカンス気分を味わっていたが、いよいよお休みもカウントダウンに入った。今月末から仕事を始める予定になっているのだ。昨日、ドクターに、仕事を始めて良いかどうか、聞いてみたところ、
「様子を見ながら、始めてみましょうか?」
と言われた。


私のうつ病の回復は、ドクターに言わせると、
「すこぶる順調!みるみる良くなっていますね」
とのこと。嘘でも、これはうれしい言葉だ。


しかし、ドクターは、
「治療の第一段階は、順調にいっているという意味ですよ」
ともおっしゃった。


つまり、うつ病を克服したのではなく、上手に心の休養が取れたというだけで、勝負はこれからだ、ということなのだ。社会生活が送れるかどうか、という第二段階にこれから突入するわけだ。


ものすごい不安を感じる。黄色信号なのである。点滅青信号なのである。渡っている最中に、赤になってしまうかもしれないのである。でも、ドクターは、走って渡ってはいけない、というのだ。途中で赤になったら、助けに行くから、というのだ。すごく不安だ。でも信じるしかない。


ドクターが助けに来てくれるというのは、つまり、薬で状態をコントロールする、という意味だ。現在私が服用している抗うつ剤は、セルトラリンという薬で、1錠50ミリグラム。これをハサミで半分に割って、一日わずか25ミリグラムという内服量で症状をコントロールしている。25ミリグラムというのは、吹けば飛ぶような分量で、例えば、粉末の胃薬などを飲むときに、うっかりすると袋の底に残ってしまうくらいのわずかな量である。つまり、もしも、仕事を再開して状態が悪くなったら、まだまだ増量する余地があるわけだ。


うつ病治療に使われる抗うつ剤は、最初、私のように最低量から内服を開始して、徐々に量を増やしていくのが一般的だ。最大の用量まで服用しても、効果が現れない場合、薬の種類を変えていく。抗うつ剤は、種類も豊富で、必ず自分に合った薬があるのだという。


さて、点滅信号で、横断歩道を渡るのは、元々得意な方ではない。基本的に慎重派な人間なので、少し待てばまた青になる、と考えるタチなのだ。でも、人生、時には点滅信号でも、渡っちゃえ、という勇気も必要だ。のろくた考えている内に渡っちゃったほうがイイ、ということなのだろう。


今日、仲良しだったおじさんが、任期満了で帰国した。昨日送別会の席で、酔っ払った彼に、私は説教された。
「yueyaは、頭がいい。頭がいいくせに、ものを考えすぎる。考えるな! 考える前に動け!」


聞きながら、
「うるせえジジイだ、とっとと帰れ!」
などと冗談を言ったりしていたが、その実、確かにその通りだと思いながら聞いていた。


これからの人生、「黄色は考える前に渡れ!」だ。