ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

1キロメートルの夜の散歩

この1年半ほど、オフィスに閉じこもってばかりで、ひどい運動不足だった。最近では、ちょっとスーパーに買い物に行くのも億劫になってしまって、コンビニばかり利用していて、とにかく全く歩かなくなってしまっていた。仕事を辞めて、暇になったので、近所の名所旧跡を歩いて見て回ったのだが、ちょっと階段を上っただけで、息切れしてしまい、ぐったりしてしまった。


このままじゃ、イカン!


と思い、今日、ちょっと歩いてみようと思った。いつもなら、タクシーを使って移動していた1キロメートルほどの距離を、歩くことにした。花冷えのする寒い夜だが、1キロくらい歩いたら、体がホカホカするかもしれないと、腕時計を見た。7時半を指していた。


よーい、どん!


と歩き始めた目の前に、バスが停まった。一瞬、「乗っちゃおうかな?」と思ったが、かぶりを振った。停車しているバスを追い抜き、歩道を10メートルほど進むと、後ろから車のクラクションが聞こえた。振り向くと、タクシーが客引きのために鳴らしたクラクションだと分かった。私を呼んでいる。しばらく私の歩く速度で徐行していたが、私がシカとしていたら、走り去っていった。


途中、運動公園の脇を通った。夕食後のおじさんおばさんたちが、トレーニング器具を使って、いろんな運動をしていた。中国の都市部には、遊具ではなく、ちょっとした運動ができる簡易ジムを備えている公園があって、無料で開放されているので、近所の人たちが体を鍛えるのによく利用している。こういうところが、中国のいいところだ。私には、こういう施設を使う勇気がない。日本人だから、という理由ではなく、運動音痴だからなのだ。あんな器具を使いこなす自信がないのだ。


……


一生懸命歩いていたのだが、なかなか体が温まってこない。それどころか、耳が千切れそうに痛くなってきて、鼻水が垂れてきた。用心に持ってきた手袋をバッグから取り出し、口元にハンカチを当てて、歩いた。


ようやく目的地にたどりつき、腕時計を見たら、7時43分だった。


明日は、2キロくらい歩こう。できれば、昼間にしよう。夜は、さすがにまだ寒い。