ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

科の作り方

科(しな)を作るのは、何も日本人だけではなく、世界共通のものだろうと思うけれど、日本人の科の作り方と、ここ中国での科の作り方は、明らかに違う。


日本人も古くから上品さをあらわす方法として、さまざまな仕草をしてきていると思うが、歌舞伎や大衆演劇女形が、女性的な仕草をしているのを見て、「これが女性の科の作り方の突出した仕草なんだろうな」とたびたび感じていた。


私なんかの世代の女性は、青春時代に松田聖子の「ぶりっ子」に影響を受けて、上品な大人の女性の色気よりも、「かわいぶる」方に命を賭けたものだから、どうも色っぽい仕草というのに抵抗がある。もういい歳なので、いまさらぶりっ子もあったもんじゃないが、どうも女らしさを演出しようとすると、そっちに行ってしまう。ごめんなさい。


今日、中国人の若い女の子といっしょに仕事をすることになり、朝8時半に待ち合わせた。ところが彼女は10分も遅刻してきて、挙句の果てに、謝るかわりに、私に媚びるように、科を作って見せた。


京劇の女役の役者が、くねくねと身をよじり、小首をかしげて上目遣いで人を見る仕草があるが、まさにアレなのだ。


女の私に色気を振りまいているわけではない。遅刻を許してもらうつもりで、仕草で甘えて見せているのだろう。悪いけど、この科の作り方では、男性でもドン引きだ。


「媚売ってる暇はないわよ!! しゃきっとしなさいッ!! しゃきっと!!」
と私は彼女の尻を資料ファイルでパンと叩いて、カツを入れた。彼女はしょぼんとした。