ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

時差

私の暮らしている中国は、日本との時差がマイナス1時間。日本が8時なら、中国は7時だ。


この時差は、どうも生活上の時間管理の感覚と同じような気がしてならない。中国人はのんびりしている。


たとえば、中国人との待ち合わせ。時間に遅れてくるのは当たり前。しびれを切らして電話してみる。
「どうしたの?何してるの?」
「ああ、もうすぐ着くよ」


この“もうすぐ”がクセモノなのだ。ちっとも“もうすぐ”じゃない。結局、待ち合わせから30分でも平気で遅れてくる。そして、「ごめん」を言わない。


初めて行く場所で、道が分からなくて途中で誰かに尋ねる。
「この道をまっすぐ行けば、すぐ着きますよ」
“すぐ着く”という言葉にだまされてはいけないと思い、
「何分くらいかかりますかね?」
「う〜ん、そうね〜。5分くらいかな?」


信じることなかれ! 確実に15分はかかる。


この国では、遅刻の言い訳に、「渋滞にはまった」が通用する。渋滞を見越して早く出発する、という習慣はない。もちろん、自分に実害がある場合、たとえばこれから飛行機に乗りますとか、そういう事情のときはきちんと渋滞も見越して早く出発するが、そうでなければスムースに行くことが前提となる。
「渋滞を考えて早く家を出ればいいのに」
と言っても、
「なんでそんなことするの?」
という顔をされる。


今日もレストランで帰りのタクシーを呼んでもらったのだが、
「ちょっと今、別の客を乗せているんで、20分くらいかかりますが……」
との返事。20分くらいなら友だちと話していればあっという間だから、OKしたら、
結局、来たのは40分後だった。


それでも中国人は、
「近代化が進んで、生活のリズムがどんどん速くなっていて、プレッシャーが大きい」
と言う。


ブラックホールに吸い込まれていく宇宙船を、外から見ると、止まっているように見えるらしいが、これと同じで、日本と中国とでは、時間の流れる速度が違うということなのでしょう。やっぱり日本との時差はマイナス1時間以上は確実にあるように思う。