明るいお葬式
鳴り物を盛大に鳴らす、ドンチャンドンチャンという賑やかな音。明日から9月。仕事の傍らで、その音を聞きながら、私は日本の田舎の秋祭りを思い出していた。
森の鎮守の神様の〜
今日はめでたいお祭り日
どんどんひゃらら どんひゃらら〜
どんどんひゃらら どんひゃらら〜
「りんご飴、食べたいなぁ〜」
と思った瞬間、はっと我に返った。
ここは日本じゃない!
この音は、お祭りの笛や太鼓の音じゃない!
お葬式だ。
なむなむ……
とにかく、なんでも大きな音を立てるのが正解という国である。「めでたい!」と言っちゃあ爆竹を鳴らし、「不吉だ!」と言っちゃあ爆竹を鳴らし、「悲しい!」と言っちゃあ爆竹を鳴らす。爆竹には魔よけの意味があるらしい。
お葬式にも当然爆竹を鳴らす。結婚式の爆竹よりは短時間で終わるが、人生の節目に、大きな音を立てるのが、中国流。
今日は笛や太鼓の鳴り物つきの、そうとう派手なお葬式だったようだ。お金持ちのお葬式だろう。ずいぶん長時間賑やかだった。