ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

子供時代に返る

10年くらい前に読んだ、
誰かの本に書いてあったのですが、
語学をやっていると、
あるとき、一度は、
子供時代に返るのだそうです。


大人が外国語を勉強すると、
ちゃんとした「大人の言い方」を学びます。
ところが、そのまま勉強をしていくと、
あるレベルにたどり着いたとき、
「子供時代に学ぶべきもの」を
取りこぼしていたことに気づき、
突然、童話や絵本などを読んだりする、
というのです。


「へえ、そんなもんかな」
と、なんとなく納得がいったような、
いかないような、
曖昧な理解だったので、
以来、そのことがずっと気になっていました。


それが、とうとう、私にも、
「子供返り」のときがやってきたようなのです。


最近、仕事が忙しくて、
あまり勉強ができません。
それで、何かあまり負担にならない勉強法はないか、
と考えたところ、
「絵本を読む」という勉強法にたどり着きました。


やり方は次のとおり。


1.見開き1ページで、1物語になっている絵本を購入。
2.これを毎晩、寝る前に音読。
  ピンインがついてるから、誰でも読める。
3.次の日、分からなかった単語の意味を、
  中国人に中国語で説明してもらう。
  それでも分からなかったら、
  中日辞典ではなく、漢語辞典で調べる。
  つまり、ゼッタイに日本語を介さずに理解する。
4.物語のあらすじを、中国語で話す。
  難しいときは、一回作文してから、
  それを見ないで話す。


これがなかなか良い勉強法なのです。


たとえば、動物の名前なんて、
ほとんど頭に入っていません。
字面を見れば理解できるものもありますが、
ハリネズミって中国語で何ていうの?
なまけものって何ていうの?
ということになると、
さっぱりなわけです。
でも、中国の子供たちは、ちゃんと知っています。


それから、
「ごろんごろんと転がって……」
とか、
「のんびり屋さん」
とか、
絵本の中では当たり前に出てくる表現というのもあります。


そういう表現というのは、
往々にして、
大人向きのテキストには、
あまり登場しません。
でも知っていると、とても便利な言葉です。
大人同士の会話でも、
普通に使えます。


また、音読してみるとよく分かるのですが、
お母さんが子供に読み聞かせるように読んでみると、
言葉のリズムが、とても面白いのです。
繰り返しの表現が、とても良いテンポを作っていたり、
話の結末に向けて、力強い表現が使われていたりするのです。
なんだか読みにくいな、
と感じる箇所があったら、
それは自分の読み方に問題があると考えてみて、
どうやったら読みやすくなるか、
繰り返し同じところを読んでみると、
自然とそのフレーズが流れるように言えるようになったりします。


今度、中国人に読んでもらって、
自分の読み方と中国人の読み方に、
どんな違いがあるのか、
確認してみたいな、と思っています。


……というわけで、
なるほど、本当に子供時代に返る時期、
というのは、やってくるものなのですね。


私はこの本で勉強中です。
《夜夜好故事》湖北美術出版社