ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

対人恐怖症との闘い

今通っている心療内科では、
患者さんの社会復帰や日常生活への助けとなるような、
ちょっとしたプログラムを実施していて、
私もそれに参加しています。


病院名が割れてしまうのもなんなので、
ここでは仮に「リハビリ」と呼んでおきます。


で、そのリハビリに、対人恐怖症の患者さんを中心にした曜日があって、
ほかの病気や障害の患者さんも参加可能なため、
私は週に1回は、対人恐怖症の方々とリハビっております。


中に一人、相当重度な対人恐怖症の女の子がいて、
先週は3時間、身じろぎもせずに、固まったまま終了しました。
みんなといっしょに作業をすることも、
話の輪に加わることも、
お茶を飲むことさえもできず、
ただ、斜め45度でうつむいたまま、
じっと時間の過ぎるのを待っているように見えました。


今週、またその彼女がやってきました。
前回同様、カチンコチンで、
誰とも目が合わせられないし、
今にも泣き出すのではないかという表情で部屋に入ってきました。


私は、そのリハビリでは、どちらかというとムードメイカー的な存在で(いつもそうだ私ってやつぁ)、
同年代のおばちゃんの患者さんを捕まえては、
おばちゃんネタで盛り上がり、
若い男性の患者さんをおもちゃにし、
かわいい若い女の子だけをかわいがるという、
とんでもない患者なので、
その対人恐怖症の彼女は、きっと私のことが怖かったのだとおもいます。
声がでかいし、動作が大げさだし、
笑うとき、絶対手を叩くし(関西人ではありませんが)、
すぐ人のこと叩くし…。

ところが、私、見てしまったのです。
私たちおばちゃん軍団が、3人揃って手を叩いて笑ったとき、
「おばちゃん、愉快だと、手叩いちゃうよね〜」
と言って、また、3人同時に、手を叩いて笑ったら、
彼女、初めて、くすっと笑ったんです。


そして、またそのまま斜め45度になっちゃったんだけど、
その日は、最後のヨガにも参加していたし、
少しだけ、緊張がほぐれたみたいでした。


先週私は、3時間身じろぎもしない彼女を見て、
「疲れないのかな」なんて思ったりしていたのですが、
よくよく考えれば、彼女にとっては、見知らぬ人との地獄の3時間。
極限の緊張の中で、「早く終わってくれ、早く終わってくれ」と願うことしか
できなかったことでしょう。


でも、来週からは、少しは、楽な気持ちで、
あの部屋に入ってきてほしいな、と思いました。


いやあ、たいへんだわ、あの病気も。
私のほうも、人のこと言ってる場合じゃないけどさ。