ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

ごぶさたしていますって

ようやく校了。ほっと一息。毎年年末に向けては、本当に忙しく、また今週末から忙しくなります。今度は、2014年版旅行ガイドブックの執筆です。写真や観光地の入場料など、最新のものに差し替えつつ、新たな情報を加え、不要なものを削除していきます。


不要なものを消すたびに思うのですが、年賀状をもう何年も書いておらず、確実に私の友達は減っております。中国に来てから、不義理続きで、さすがにもう私のことなんか忘れちゃっただろうなぁ、という友達が大勢います。


昔は、アドレス帳を持ち歩き、数年に一回新しい手帳を買いなおして、「人を削除する」という作業をしていました。手書きの文字で人を消すというのは、とても切ないもので、削除候補に挙がっていた人でも、「ちょっと連絡してみようかな」とハガキや手紙を書いたりしてつながってきていたものですが、最近ではすべて携帯電話やパソコンの中で「人を管理」しているため、「人を削除」することも少なくなった反面、削除の作業自体にもそれほど情緒が絡まなくなってしまいました。クリックすれば消えてしまう、その無常感…。子ども達の世代は、その無常感さえも、年寄りほど感じなくなっているかもしれませんね。



でも、いくらデータの上で人を削除していっても、完全に忘れるわけではないんですよね。私たち人間の脳って、すごいですよね。


「私のことなんか、もうとっくに忘れちゃってるんだろうなぁ」と思っていた友達から、数年ぶりにひょっこりメールが来たりするのです。「どうしていますか? まだ中国ですか?」とうれしいメールが届く。それはただ「今どこにいるの? 何しているの?」という問いかけだけのメールですが、自分を思い出してくれて、メールしようと行動に移してくれた、大きなエネルギーに支えられた好意なんですよね。話題がないからメールしにくいな、と躊躇することなく、話題なんかなくても、ふいに声が聞きたくなったり顔がみたくなったり、その思いだけでも相手に伝われば、もう十分なんだって。


「ごぶさたしています」って、本当はとても愛情あふれる言葉だったんですね。