ひだまりの居場所

精神障害者をはじめ、生活困窮者の心に寄り添うブログです。

張子の虎が黒い煙を吐く

2022年の冬季五輪招致に、北京と張家口が立候補したとか。


もうすでに日本のネット掲示板では、くそみそな書き込みが殺到しているようですね。不謹慎ながら、「罰ゲーム五輪」という書き込みにちょっと笑っちゃいました。


10年近く先の話ではありますが、中国サイドからも、大気汚染の問題をクリアしなければならないとの指摘が相次いでいます。


それでふと、10年前の中国を思い出してみたんですが、ほとんど戦後まもなくの日本みたいな生活してましたよ、中国の都市部でも。私の部下が言うには…


夏は家の外にボンボンベッドを出して、お父さんと僕はそこで寝ていた。


電気もまだ安定供給されていなくて、電気代も高かったから、夏の夜はみんな外で夕飯を食べ、夕涼みをし、子どもは8時頃になると寝かされ、大人はそのまま外でマージャンしたり、トランプしたり、お酒を飲んだりしていた。


舗装道路が少なくて、風の強い日は、数メートル先が見えないほどの土煙が立ち、ひとたび雨が降るとぬかるんで靴を取られた。


洋服はいつも正月前に一着、新しい服が買ってもらえる。それを着て、家族写真を撮るのが、我が家のならわしだった。最近は、さすがにしなくなったが、懐かしい。


煮炊きをするのに、七輪を使っていたから、どこの家も天井や壁に煤がついてた。


ほかに娯楽もなかったから、男性はみんなタバコと酒。タバコは根元まで吸う。酒も今ほど上等なものは少なく、悪酔いするんで大変だったみたい。


…という具合。それが10年で、おどろくほどの発展を遂げてしまったのだから、これから10年先のことなんか、誰にも予測はできません。


でも、この国の未来を憂いてしまうのは、この国がなかなか「学ばない国」だからなのでしょう。


今日、私の部下の女の子(といってももう三十路を過ぎているベテラン社員。大の日本びいき。)と、こんな会話をしました。


「なぜ最近、日系企業がどんどん撤退していくんですか?」
「中国の人件費が上がったからでしょう」
「でも、上海は日本人だらけですよ」
「上海には製造業よりオフィスや商店が多いからじゃない?」
「私は、日本人がここからいなくなるのには、もっと別の理由があるような気がする」
「(ギクッ)な・なぜだと思う?」
「中国人は、日本の技術を学ぼうとしていない。盗もうとしているだけだから」
「ふんふん」
「だから、企業のトップはとりあえず技術さえいただいちゃえば、日本人の管理者を追い出そうとするの」
「そうね」
「だけど、中国人はできるだけラクをして儲けたいと思ってるから、日本人管理者がいなくなると、とたんに働かなくなる」
「そうね」
「結局、会社は利益を生み出せなくなって、困り果てて、日本に文句を言う」
「そうだね、文句言うよね」
「逆ギレっていうんですか? 本当はありがとうというべきなのに」
「ありがとうなんて、絶対言わないでしょ?中国人」
「言わない。ものすごく失礼」
「それで?」
「だから、もし私が日本人だったら、怒って帰っちゃいますよ」


分かってる人もいるんですよね。彼女はちゃんとわかってる。


今年の初め、大気汚染の話題で相当中国もやり込められたはずなのだが、この半年間、何の手も打ってないのが現状。いや、水面下では何かしら投資して、改善する方向性を打ち出してはいるのでしょうけれど、目に見える変化は何一つないのです。そして、今月からまた温水暖房用の煙突が煙を吐き始めます。今日、近所の温水供給所を覗いてみたところ、山のように石炭が積まれていました。ああ、また今年も同じ風景か…とがっくりと肩を落として帰宅しました。


この10年で、中国はもっともっと成長できたはずなんです。生産効率だけでなく、品質の向上も望めたはずなのです。それなのに、張子の虎のように、中身が空っぽで見てくれだけ強そうな中国が、今日も黒い煙を吐いています。ここからの10年で、何をどう変えていくべきなのか、みんな分かっているはずなのに、変えていくのは自分たちなのだという意識のないまま、10年先の五輪の舞台を作ろうとしている。その意気込みが、環境改善や品質向上につながっていくことを願いつつ…。

海自拡充へ政府交渉 @ジブチ

間接的には、中国の動向もおおいに関係しているのでしょうね。


軍国主義化には抵抗はありますが、「歩」駒を打っておく必要はあると、私は思っています。


中国をノサバラセテおくと、大変なことになりますよ。生活者がそう言っているんですから、間違いありません。怖い国だ、ほんとに…。